ノラ熊 [2025/10/18,11:21:03]
ついに、といっていいのか、秋田市中心部にクマが出た。地元紙はトップで「怖い、防ぎようがない」「人との境界線は、どこへ」と見出し。クマが出たのは千秋公園と秋田大学キャンパスの間。私の住む医学部の小さな裏山にもクマの存在は確認されている。もしかして同じやつだろうか。彼らはこれまで町に出てこなかっただけで、わが近所の森の中に住んでいることはみんな知っていた。身近にいるのだが、いることを意識しなくても暮らしが成り立った時代は過去のものになった。県外に住む友人から「ついにノラ熊が出ましたね」というメールが届いていた。「ノラ熊」はうまいなあ、彼らは飼い主である「山奥」から解き放たれた、まさに「野良」だ。人間社会の豊かさを知ってしまった「はぐれもの」だ。こうした先駆者(?)が一頭出れば、後に続くものが後を絶たなくなる。人間社会を見てもそれはわかる。夜の散歩は注意が必要だ。まだ誰にも言ったことはなかったのだが、2019年、夜の散歩中に明らかにクマらしい生き物がノースアジア大学の前の道路を横切るのを夜に目撃している。国際教養大学のキャンパスのそばで巨大なクマの糞をみて膝が笑い出したこともあった。クマはなぜか「大学」が好きなようだ。
昨夜 [2025/10/17,09:32:09]
昨夜は雨が降っていたので散歩は中止。月に1、2度こうしたケースがある。散歩がなくなるとテキメンに夜の眠りが浅くなる。昨夜は何度も起きて、湧き出してくるいろんな雑念やアイデアをメモし、それを繰り返しているうち、夜が明けた。眠らなければ明日の仕事にさしつかえる、という切羽詰まった状況とは無縁だが、寝不足の朝はやはりいまいち気分はすぐれない。遅くまで寝ていても誰にも叱られたりしないのだが、やはり定時には起きて、いつも通り仕事に行く。体がそのようにセットされている。悲しいような嬉しいような複雑な気持ちだ。仕事場に入るとやることは山盛りだ。何をやらないか、を決めるのがスムースに事を運ぶ要諦だ。夜は1時間、飴をしゃぶるように奥田英朗『普天を我が手に』第2部を読む。もう3分の2あたりまで読み終えた。第3部の発売まで、この愉しみをなんとしても引き延ばしたいのだが、難しいかも。
スイカ [2025/10/16,09:51:09]
会社用と個人用のクレジットカードが使えなくなった。外国で不正使用の「跡」が確認されたので、クレジット会社が急きょ使用をストップ、新しいカードを作ることになったのだ。アジアのどこかの国で1ドル相当の金額が不正使用された、という疑いである。恐ろしい。先日は東京の書店(一棚書店)で「現金は使えません」と本が買えなかったので、ひどくショックを受けたばかりだ。スマホは持っていないし、ペイペイも使えない。カードもスマホも使えないとなると本当にお手上げだ。困っていたら友人のFさんから「JRのスイカもってるでしょう、あれ一枚あればほとんど大丈夫」とアドヴァイスされた。なんだ、そうだったのか。鉄道のカードで、本もコーヒーも日常品も買えるのだ。これなら必要なだけの現金をチャージするだけだから安全だ。よし、もうカードはスイカ一本でいこう。
ガリガリ君メロン味 [2025/10/15,10:02:49]
図書館で調べものの帰り、向かいのコンビニでガリガリ君メロン味を買った。これは広面地区では売ってないやつだ。アイス売り場に小学1、2年生ぐらいの小さな男の子がいて「……それ旨いよね」と小さな声でつぶやいた。セルフレジを済ませ帰ろうとすると、後ろに並んでいたその男の子が、背の高いレジに必死で手を伸ばしていた。買い物ははがき大の菓子袋ひとつ。ひとりで買い物に来たようだ。そのセルフレジと格闘する姿があまりにかわいかったので、「これ食べて」とガリガリ君メロン味を1本差し出した。少年は意味が分からずポカンとしていたが、店員のおばさんから「あら良かったわね」と声をかけられると、一気に表情が緩んだ。ピップホップ系のファッションをした、おしゃれなちびっこだ。駐車場で車に乗り込むと、コンビニ入り口から「ありがとうございました」と、ガリガリ君片手に深くお辞儀をするちびっこの声が聞こえた。気分のいい少年だ。家に帰って親から万引きを疑われたりしないだろうか、と少し心配になったが、あの少年ならきっと自分の言葉で説明できるはずだ。わずか100円のプレゼントだったが、こんなに平和で穏やかな気分にさせてくれた彼に、逆に感謝したい気持ちになった。
奥田英朗 [2025/10/14,09:42:11]
満を持して奥田英朗『普天を我が手に』第二部を読み始めた。600ページ近い長編だが、読み始めると途中で止まらなくなる。だから「満を持して」なのだ。ある程度時間が確保でき、重要なスケジュールのない時期でないと読みだせない。1日3時間取れれば1週間で楽に読み通せるのだが、でもそううまくはいかない。あまりの面白さに夜を徹して6,7時間読み続ける可能性が大きいからだ。昨夜はウォーミングアップのつもりで1時間、前半部を第一部のおさらいで読みだした。予想通り、途中でやめるのがつらくなった。もういきなり面白いのだ。どこを読んでも面白いのだ。下手をすれば、途中でやめられなくなり明日あたりで読了してしまうかもしれない悪い予感もする。第三部の刊行は12月17日、早く読んでしまえば続編まで1か月以上待たなければならない計算だ。まいったねどうも。たった7日間しかなかった昭和元年に生まれた4人が、互いの運命を交差させながら昭和という時代を生きていく物語だ。第二部は敗戦、占領、抑留の真っただ中からスタートする。もういきなり面白すぎる。誰か私を止めてくれ。
スカンク・キャベツ [2025/10/13,10:26:57]
山に登るようになって「花の名前」に少しだけだが詳しくなった。先日、東京に行ったおりも、街路樹にハナミズキの木がやたらと多いのに気が付いた。調べたら「木の成長が遅く、しょっちゅう手入れをしなくて済むから」という理由から、街路樹に採用される確率が高いのだそうだ。ハナミズキは一青窈の歌で有名になったが、桜のかわりにアメリカから贈られた外来種だ。あちらでは犬の皮膚病に利用するので「ドッグウッド」と呼ばれている。山で見つけると大騒ぎになるのが「ザゼンソウ」だ。確かにこれまで2,3度しか見つけたことはない。これも外来種のようで、アメリカでは「スカンク・キャベツ」と呼ばれているという。匂いが嫌なのだろうか。庭には「イヌノフグリ」が咲いている。この命名の由来も、もとをただせば外国の名前を直訳したせい、とある本に書いていた。「ヘクソカズラ」というのもすごいが、花の命名にはそれぞれの命名の事情や理由がある。花の名前をもっと知りたい。
毎日新聞 [2025/10/12,11:24:09]
昨日の新聞で「あれっ」と思う記事があった。いや記事ではない。読書欄の隅の「ベストセラー」という囲みで、「日販・文庫=7日調べ」というやつだ。一位は例の「国宝」だが、3位に凪良ゆう「汝、星のごとく」が入っている。愛し合う高校生の20年を追った実に感動的な小説だったが、もう4,5年前にヒットした本のはず。文庫本がようやく出た、ということなのかしら。私が読んだのは単行本だったから、文庫になるにしてもずいぶん時間がかかっている。いや、もしかするとものすごく感動して読んだ本なので、もうずっと昔の本だと思いこんでいたからかもしれない。この本なら文庫本もヒットまちがいなしだ。新聞は毎日新聞をとっている。連載の「松尾貴史のちょっと違和感」が実に面白い。それと毎日は特集記事を書いた記者を顔写真付きで紹介する。これも新鮮でなかなかいい。まだ購読を初めて1か月だが、切り抜きが多くなってきた。なじんできた証拠である。
走線者 [2025/10/11,10:27:26]
「走線」という言葉を初めて聞いた。NHKスペシャル「死に向かって生きる〜アメリカを目指す中国人«走線者»」はすごい番組で、驚いてしまった。中国共産党に批判的な人たちが国を出て、ビザを必要としない南米エクアドルからジャングルの中を数千キロ歩き続け、アメリカに亡命する。理由は様々だが、中国共産党に反愛国者として目を付けられた人がほとんどだ。その逃避者の数は23年以降だけでも6万人以上にのぼるという。命がけでアメリカにたどり着いても、そこから今度は亡命申請の裁判が待っている。トランプ体制になり亡命が認められる率は下がる一方だ。強制帰国になれば待っているのは地獄。帰国を避けるために自殺を選んだものまでいる。危険な逃避行の前に立ちはだかる大国の壁。運命の判決を前に揺れ動く走線者たちに密着したドキュメンタリーだ。冒頭、習近平もトランプも同じだ、と吐き出す走線者の叫びが心に突き刺さる。小舟に乗ってアフリカからヨーロッパに向かう難民たちのドキュメンタリーは何度か見た記憶があるが、中国人のアメリカ亡命のドキュメントは初めてだ。こんな現実があったのか。ぬるま湯につかった日々を送っていると、世界の現実が見えなくなる。
白井晟一 [2025/10/10,09:34:28]
白井は昭和を代表する建築家の一人だ。住宅建築に積極的に「和」を取り入れたことでも知られているが、戦争中、友人のいる秋田県湯沢に「本を疎開」させた縁などから、湯沢周辺に手掛けた建築物が今もいくつか残っている。そういえば先日上京のときに訪れた渋谷区立松涛美術館も彼の手になるものだ。世田谷の住宅地のど真ん中に、いきなり翼を広げて飛び立とうとしている鳥のような美術館が現れて、かなりショックを受けた。昨日はその白井の作品を観るため湯沢へ出かけてきた。。もう取り壊されたのだ有名な雄勝町役場や湯沢酒造会館は若いころに観ている。今回は市内東側にある「顧空庵」を初めて見て感動した。これは昭和28年に白井が東京世田谷に新築した切妻造の木造平屋建てで、小規模でも豊かな住環境を実現した小さな家だ。平成19年にこの地に移築されたものだが、今見てもそのおしゃれで、住み心地のよさそうなたたずまいは、まったく古びることはない。老後はこんな住宅に住んでみたい、と思わせる「試作小住宅」だ。この建物を見ただけで湯沢まで来た価値はあった。あらためて白井と湯沢市の深い関係に思いを強くしたのだが、湯沢市にはこの白井の建造物の保存に尽力している建築家・清水川隆さんがいる。清水さんとも電話でお話しすることができた。これも収穫だ。
月と散歩 [2025/10/09,09:49:06]
昨日の満月は迫力あったなあ。中天にあった雲の中の月もゴッホの絵に出てくるようでよかったが、散歩の終盤は雲を抜け高い場所で、威風堂々輝いていた。「どうだすごいだろ」と言わんばかりの存在感で圧倒された。月に夢中になっていたこともあるが2度ほど横断歩道で車に轢かれそうになった。やつらは本当に停まらない。老若男女、誰も止まらない。ウォーキングライトを手首に巻いてピカピカ歩いているのだが、もしかすると歩いている「時間帯」が問題なのかもしれない。夕食が早いので6時には家を出る。7時前までは、帰宅を急ぐ勤め人たちが運転者のほとんどだ。彼らは仕事を終え一刻も早く家に帰りたがって、気が焦っている。歩行者に気が付いてブレーキを踏んでから、申し訳なさそうな顔で、謝ってくるのだが、まるで無視して去っていくのもいる。心はここにあらずの感じだ。今、真剣に交通事故にあわない散歩の方法を考えている。

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